2009年03月25日(水)

CFDが生み出す影響 〜取引コストの裏側〜

 CFDの取引が増える代わりに今までの取引所取引が減る場合でも、回りまわって取引所でそれらは取引されるのだが、ここで影響を受ける人がいる。それは、それらに使われる証券システムの提供者である。すなわち野村総研、大和総研、JIPといったシステム業者である。現在CFDによって生まれる取引はファシリテイターとよばれる、SAXO、IGM、CMC、GFTなどのCFD業者経由で、後ろにいるユニバーサルバンク(為替でおなじみの銀行証券)を経由して世界の各取引所でカバー取引が行われるが、これらのユニバーサルバンクは大方その発注システムを自前で持っている。

一方日本の証券会社はほぼ上述のような国内システム会社から提供されるものを利用しいている。これでお分かりのように、日本の取引所(東証と大証に限った話)で既存の株や先物の取引が従来の取次ぎの取引からCFDに流れていくと、その分だけ日本の証券バックシステムから取引が流出し、欧米の銀行のそれらを通して発注される量が増えていくということになる。もともと日本の証券バックシステムのコストが高いことは周知の事実である。私の経験からも、ひとたびそのシステムを導入すると顧客口座が数十万口座ぐらいにならないと、まともにペイしないぐらいに高いものだという印象がある。ネット証券化の時代で手数料がどんどん下がる局面では大変苦痛である。

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そうした参入コストが高いことが、容易にファンド系などの特殊な証券業参入はできても、現物株や先物の取次ぎビジネスとして入れない理由であったが、CFDを使うことでいまや、どんな証券会社でもましてやFX専業の金先業者でも簡単に株の取引を商品として陳列することができるようになった。このインパクトは大きい。さらにいえば、裏側でその仕掛けを提供するファシリテイターたちはマスメリットを生かしながらより廉価なコストでシステムの提供を行っている。さらにその上流であるユニバーサルバンクも自前のバックシステムが主体なので、日本のそうしたシステム業者よりも運用コストは低くおさえて提供してくる。ファシリテイターたちはそのシステムを借りて使うわけではないので固定費もない。ただ一件当たりの手数料を払うだけである。その結果全体的により安い取引コストでサービスが提供できるようになる。

今はまだ過渡期だが、そのうち従来の取次ぎによる取次ぎ手数料よりもCFDのほうが確実に安くなると私は予測しいている。現在のところ、株の信用取引や日経先物を取引している投資家にとっては、いまのところ従来型の証券口座による取引の妙味は税制優遇しか見当たらない。しかし、私はこの「取引所優遇」要素を軽視はしない。今のTFXのFXの成功をみるにつけ、その効果は大いにあると思うが、それでもOTCのCFDはその取引コストの魅力で欧州、豪州なみの30%程度のシェアまでなら十分食い込んでくるのではないかと予測する。個人投資家の比率が高ければ高いほど、信用取引(レバレッジ取引)をする人が多ければ多いほど、この30%の数字はより確かになる。ただし5年以上はかかるのではないだろうか。

Posted by 尾関高

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プロフィール

GCI Technology USA勤務

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコ(現在のセントラル短資)にて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年から現在のひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引のシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始、現在にいたる。
現在は、営業面のみならず、本商品にかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。

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